レクリエーションを行う上で怠ってはいけないのが安全管理です。参加者の中には自立歩行ができず車いすが必要な人や半身不随の人もいます。そのため、それぞれの身体状況に応じて配慮や対策をしなければなりません。
例えば、車いすの人が参加する時はブレーキをかけ忘れていないか必ず確認するようにしましょう。ブレーキをかけ忘れていると不意に動いた時に車いす自体も動いてしまうため危険な状態になり、転倒などにつながってしまう恐れがあるからです。車いすが前のめりにならないように、職員は近くに待機してすぐフォローできるようにしておかなければなりません。
麻痺が残っている人には背もたれのあるいすを用意してください。転倒防止になります。万が一を考えて、すぐに対応できるように職員も側に付き添いましょう。
高齢になると耳が遠くなるため聞こえない時もあります。呼びかけにすぐに対応できず思わぬ事故につながる可能性もあるので注意が必要です。目の届くところに職員がいると安心できるので、なるべく近くで見守るようにしましょう。また、内容が聞き取れなくて疎外感を感じることもあるようです。本人が内容を理解できているかどうか、その都度確認するようにしてください。
レクリエーションに参加している高齢者の身体能力や障害は人によって違うため、難易度の感じ方も異なります。無理をして自分に合わないレベルのレクリエーションに参加すると転倒などの事故が起こる危険性があるので注意が必要です。内容が難しい場合は職員がサポートする、参加せずに見学する、などの対応が必要です。
レクリエーションに参加している人たちの身体能力はさまざまです。中には内容に付いていけず上手にできない人もいるでしょう。奮起させるために強い言葉で応援する人もいますがそれは逆効果です。できないことを責めたり、自尊心を傷つけたりするような言葉は遣わないようにしましょう。言葉によって相手の心を傷付けてしまうからです。
「レクリエーションを実施するのは当然」という介護施設も少なくありませんが、無理に参加させないことが鉄則です。日によって体調が優れないこともあるからです。高齢者の場合はその差が大きくなるため、その日の体調を見ながら参加するかどうかを決めるようにしましょう。気乗りしないことを無理やりやらされるのは心身の負担になりますし、レクリエーションそのものに悪い印象を与えてしまうことにもなりかねません。決して無理強いはしないように気を付けてください。